あの世界に ‘ない’ もの
ジャックが行ってしまったあっちの世界、ビートルズがいない、というのは物語の前提ですが、他にも ‘ない’ ものがいくつかあるようです。
オアシス
まずは ‘オアシス(OASIS)’。
見事に存在していません(笑)。
ググっても「乾燥地域における緑地」しか結果に返ってきません(笑)。
ジャックは学生のころオアシス(OASIS)を演奏しているシーンがありますので、オアシス大好きでもあるようです。 この「ビートルズがいなければオアシスもいない」というのは大いに笑えました(笑)!
ビートルズがいなければ「第二のビートルズ」「XX年代のビートルズ」も存在しえない、と(笑)。
ギャラガー兄弟がジャック的立場にいたら、ビートルズやって最後喧嘩別れのストーリーか、などと余計なことも思いましたが、これではこっちの世界でも一緒なので映画になりませんね(笑)。
ペニーレーンの床屋、ストロベリーフィールズ
同じくビートルズがいなければ、の流れではペニーレーンの床屋は廃業、ストロベリーフィールズは解体されて ‘がれき’ となってます。
ちなみにローリングストーンズはあっちの世界でもしっかり存在しています(笑)。
コカ・コーラ
あっちの世界ではコカ・コーラがありません(笑)。 が、ペプシはあります。
コークはなくペプシだけ、というのはサタデーナイトライブでジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ビル・マーレイなんかでやっていた、チーズバーガーとチップスとペプシだけしか置いてない「Olympia Restaurant」のコントを思い出します(笑)。
映画ではコークを頼んでもペプシしかない(コーク自体を知らない)、という状況ですが、「Olympia Restaurant」ではコークを頼まれると「ペプシしかない!」とコークを知っている店長らしきジョン・ベルーシが逆切れして客にペプシを注文させてしまうので、違うといえば違いますが何だか笑えました(笑)。
たばこ
どうやらあっちの世界、「たばこ」もないようです(笑)。
禁煙・嫌煙運動でもしてるのでしょうか? あるいは、たばこもないような世界はどうよ?と疑問を投げかけてるのでしょうか? たばこがない、という場面は「ああ、そうなんだ」的にす~っと進んでしまいましたので、どんな意図があったのかは不明です(笑)。
こんなところでも何だかよくわからない ‘引っ掛かり’ を作ってくるあたり、実にいい映画です(笑)。
ビートルズを知っている人がいた!
ビートルズを知っている2人 あっちの世界ではジャックしかビートルズを知らないはずですが、やはりいました、いました、ビートルズを知っている人(笑)。
この人たち(男1、女1)、記者会見で「メンバーの誰が好きなのか」的に煽りを入れたり、イエローサブマリングッズを持ち出したり、ペニーレーンの床屋の近所でジャックを見張っていたりと、てっきりストーリー的にはジャックの悪事(?)が暴かれていくのか、と単純に思ってしまいましたが、やはりそれは単純すぎました(笑)。
よく考えれば、いや考えなくても(笑)、ビートルズはいない世界なので、ジャックが ‘盗作’ しようが何をしようが ‘悪事’ にはなり得ず、仮に二人が‘盗作だ’と騒いだところで問題にすらなりませんよね。
なにせ ‘被害者’ がいないので(笑)。
もう2~3人、ビートルズを知っているミュージシャンがいれば、先人争いに発展するのでしょうが、そんな映画ではありません(笑)。
2人は名声をジャックが持っていくことを怒るどころか、
「ビートルズを残してくれて感謝している」
と言ってました。
実にいい言葉です!
ラストの子供に向けたオブラディもしかり、ビートルズを残し伝える、この映画のキモはこの言葉、この精神なんだな、と。
ちなみに、ビートルズを知っている2人のうちの女性の方、実力派女優と言われるサラ・ランカシャーさんですね。英国ドラマ「ハッピー・バレー 復讐の町」、主役の警官をド迫力で演じてました。
男性の方、これまた英国ドラマ「官僚天国!~今日もツジツマ合わせマス~」でいい味出してたジャスティン・エドワーズさんですね。
この二人が「ビートルズを残してくれて感謝している」というので、非常に説得力がありました。が、もうちょっと出番増やしていただきたかったです(笑)。
(つづく)
筆者について
さいもん(A)・ギター担当。ビートルズ大好き歴数十年!1963年生まれ さそり座。近頃、忘れっぽいことがもっぱらの悩み。
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